●胆道がんとは

胆道とは、肝臓で産生される胆汁(消化液)の通る道で、肝臓から胆のう(貯蔵場所)を通り十二指腸にいたる管です。

 

胆道にできる癌は肝臓内から胆汁の流れの順番に、次のように分類されます。

  肝内胆管癌(原発性肝細胞がんに分類される)

  肝門部領域胆管癌(肝外胆管がん)

  遠位側胆管癌(肝外胆管がん)

  胆嚢癌

  十二指腸乳頭部癌(Vater乳頭部癌)

  広範囲胆管癌(広い範囲の胆管に広がる)

 

胆道がんは胆道の細胞ががん化し大きなかたまりとなったものです。胆道がんは胆道のどの部分で出来てもほとんどが腺癌という種類のかたまりです。

 

胆道が肝臓から膵臓を通って十二指腸へとつながっていること、胆管の壁が薄いこと、近くに重要な血管や細かな神経、リンパ節が豊富に存在していることなど、臓器の構造や位置関係上、がん細胞が広範囲に及びやすい。

  

肝内胆管がんは、原発性肝がんに分類されますが、薬物療法上は胆道がんとして扱われます。

●罹患者数・罹患率

2013年の資料によると、我が国の胆嚢・胆管がんの年間罹患者(新しい患者)は2.3万人でがん罹患者全体の23%、年間死亡者数は1.8万人と6番目に死亡者の多いがんです。胆道がんは欧米先進国ではまれながんですが、南アメリカや東アジアでは罹患率が高く、なかでも、日本人は他の東アジアの人やアメリカの日系人と比べても罹患率が高い傾向にあります。人種差や地域差の原因はよくわかっていません。

 

年令別にみた胆道がんの罹患率・死亡率は、ともに50歳代から増加します。罹患率の年次推移は男女とも増加傾向でしたが、1980年代後半から2000年にかけて男性は横ばい、女性は減少傾向です。胆嚢がんの死亡率は女性>男性(1.2倍)、胆管がん死亡率は男性>女性(1.7倍)で、性差があります。胆道がんの死亡率は、男女ともに増加傾向にありましたが、1990年代から減少傾向にあります。

 

●胆道がんの冊子

国立がんセンターがまとめた「胆道がん」についての冊子です。

106E.pdf (ganjoho.jp)

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